原田 裕規 Yuki Harada

アーティストの横山奈美さんと二人展を行います。
横山さんが制作に取り入れる「筆跡」と、原田が制作に取り入れる「声」を並べることで、浮かび上がる「私」について考える展覧会です。

横山さんとの出会いは、昨年参加した「LOVEファッション」展(京都国立近代美術館ほか)でした。会場の冒頭に横山さんの《LOVE》が置かれ、最後に原田の《シャドーイング》が置かれるという構成だった「LOVEファッション」展。
一見して繋がりの薄い両者を並べる構成の意図は、筆跡や声という身体ににまとわりつく「逃れがたい私」を浮かび上がらせるというものでした。
そのことは《シャドーイング(トミゴロウ)》の次の台詞にも象徴されています。

──どこへ行っても、何をやっても、私は私から逃れることはできない
──私自身はどこにも行かない
──私自身はいつもそこにいて、まるで影のように、私が戻ってくるのを待っている

メディアやバックグラウンドを超えて、同世代の作家同士で共通した問題意識をもっていることに驚き、横山さんとはすぐに意気投合しました。
しかし同展はファッションを主題とするものだったため、こうした点についてはレビューなどでも触れられることはなく、展覧会は終了しました。

そこで二人で話し合い、「LOVEファッション」展の最終会場である東京オペラシティ アートギャラリーの隣にあるケンジタキギャラリー西新宿を会場に、「スピンオフ」的な展覧会を(勝手に)企画してしまいました。

原田は、台本・制作プロセスともに新しくなった「シャドーイング」シリーズの新作に加え、横山さんとのコラボレーションワークも展示予定。初日にはオープニング・レセプションも行います。
面白い展覧会になりそうです!皆さまぜひご来場ください。


このたび、ケンジタキギャラリー西新宿にて、11月21日より原田裕規と横山奈美による二人展「Shape of Your Shadows」を開催いたします。

ピジン英語に代表される混成文化とテクノロジーを融合させた制作をしている原田裕規。ネオンをモチーフに、ガラス管や背後に存在する配電線、フレームまで克明に描く横山奈美。
本展は「LOVEファッション―私を着がえるとき」展(京都国立近代美術館、熊本市現代美術館、東京オペラシティ アートギャラリーを巡回)への参加をきっかけに親交を深めた二人の作家の展覧会です。原田の「シャドーイング」シリーズ、横山の「Shape of Your Words」シリーズ、そして両者の共作が初めて公開されます。

原田が制作に取り入れる「声」と、横山が制作に取り入れる「筆跡」──両者の表現を並置することで、同世代の二人が他者とのコミュニケーションを制作の根幹に据えながら、「私」という個人的かつ政治的な場に対峙する姿を浮かび上がらせます。

info:
原田裕規×横山奈美 Shape of Your Shadows
会場:ケンジタキギャラリー西新宿 アクセス
160-0023 東京都新宿区西新宿3-18-2-102

会期:2025年11月21日(金)– 12月25日(木)
時間:13:00–18:00
休廊日:日、月、祝
オープニング・レセプション:11月21日(金)17:00–19:00

協力 : KEN NAKAHASHI

お問い合わせ先:
ケンジタキギャラリー
E-mail: office@kenjitaki.com
TEL 03-3478-5007